Elecraft KX1 検討記録

さて、送信系統の再度確認を行うべく準備完了状態です。回路図を見ながら怪しそうなところを確認してみました。
定数の確認やLPFのリレースイッチなども確認し実際そんなに怪しそうなところはなかったのですが、どうも終段PA前の変圧器(T1)のコイルの巻き状態がどうも腐っていそうだった(特に2次側)。マニュアルを見てもあまり基板のほうにエナメル線を引っ張ると巻き状態が崩れるので、ちょっとたわませて付けなさいなんてご丁寧に書いてある。
ということで2時側コイル(といっても2ターン)を巻きなおして再度基板にマウントすることにした。写真はコイルを取り外し、2次側のエナメル線を取ったところ。
エナメル線を巻きなおし、巻き状態が崩れないように線をたわませて2回巻いた状態を作って基板に接続してみた。写真で緑の線が途中から曲がって基板のほうへ行っているのが見えるだろうか?
そそくさと組み上げ各バンドでの出力を測ってみた。まずは7Mhzから。
3W強といった感じ。コイル変える前とそんなに変わらない。3.5Wぐらいになるのを期待したのだが。どうも、この辺がいいところかもしれない。
実際のワットメーターの表示。3W強を示している。
次は10Mhz。ここも3W 強といった感じ。
最後に14Mhz。ここはちょっと低い。3W 弱。これはこんなもんでしょう。
とりあえず、これで後は免許状が届くのを待ちましょう。実際のQRVでもう少しよくわかると思います。が、まともにQRVできるのはいつになることやら。
検討続行
Ref. Pin Vdc(Ref) Vdc(mesured)
Q4 E 0.23 0.215
B 0.94 0.939
C 2.14 2.344
Q5 E 2.24 2.367
B 2.14 2.311
C 13.5 12.8
Q6 C 13.5 12.8
さらに検討を行いました。送信系のトランジスタの各電圧を測定し、マニュアルのE-6ページのリファレンス値と比較してみました。結果、若干違うところもありましたが、基本的にリファレンス値の±10%には入っているようなので問題ないようです。
このキットとしてはたぶん3Wぐらいの出力になるキットも多いのではないでしょうか?そこで、Elecraft MLをいろいろ見てみるとすでに多くのユーザーが出力に関する報告をされていました。どうも3Wから4W強ぐらいまでさまざまなようで、このばらつきはQ6(PA)のHfeのばらつきのようです。一番右の欄の測定値は送信時のものです。入力電圧は13.1Vですが送信時には12.8Vにドロップしています。
QRO しかし、4Wぐらい出ている方もいるようでちょっと悔しいので出力を上げる実験もしてみました。ElecraftMLにもありましたが、Q6の入力にあるR30(22Ω)の定数を変えることによりPAのドライブ条件を変えることができます。R30の値を33Ωにすることで3Wぐらいの出力の場合4Wぐらいになります。しかし、この変更はエレクラフト社のリファレンス定数から変更することになり結果に関してはまったく保障されませんので、自己責任において変更の内容をよく理解している方のみ実験してください。MLでも副作用の危険性を述べていました。具体的には出力が不安定になる、出力段のLPFが最適なポイントを外れてしまう可能性などです。実際3W出ていれば運用には支障ないと思われますし、今述べた以外にも副作用が発生する可能性も大いにあるので、ここのところをよく理解して実験してください。また、R30ははずしにくいです。私はRFボリュームのノブを溶かしてしまいました。痛い。
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